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名探偵コナン 純黒の悪夢

【評価】★★☆☆☆

蘭ねーちゃんの「すぃいいんいぃちちぃぃーーー!!」が映画で見れないなんて。
 
【批評】
赤井秀一と安室透が主人公。その他は脇役。
 
コナンの映画は毎年「推理」を放棄していて、ただのアクション映画であることはご存知の通りであるが、それでも毎年ほんの少しは推理要素があったはず。しかし今回は本当に推理要素は無く、アクションのみ。でもまあ、コナン映画を観に行く層が今更そんなことに文句を付けるはずはないだろうし、また、本作はその代わりに黒の組織との対決がふんだんに描かれており、コナンファンとして嬉しいところであろう。
 
実際、冒頭のアクションシーンは掴みとしてはよかったし、コナン映画定番の蘭ねーちゃんによる「すぃいいんいぃちちぃぃーーー!!」のシーンは無く、「対黒の組織」にフォーカスした点は良かったと思う。
 
原作本筋の「組織No.2の[ラム]とは一体誰なのか?」という謎解きについては、さすがに映画では進展はないのだが、「安室と松田刑事」という新しい関係性が提示されるとともに、安室がなぜ赤井秀一を敵視するのかについてもヒントが与えられている。このあたりは原作でも明かされていない部分について踏み込んでおり、原作連載を追っているコアファンにとっても楽しめる要素になっている。
 
ただし、映画の脚本としてはさすがに突っ込みどころが多過ぎて、良しとはできない。
 
まず、「ゴンドラごと拉致する」って絶対無理だし。あんな特注品のヘリ持ってるって相当目立つと思うんだけど。黒の組織は秘密裏に活動しているはずなんだけど、もはや自分たちから目立ちにいってるとしか思えない。また、安室は公安として重要な任務中に、赤井に喧嘩をふっかけて殴り合いを始める始末。しかも観覧車の上で。いやいやいや、とりあえず黒の組織を捕まえてから好きなだけ喧嘩しとけよと。
 
あと、(これは私が映画をちゃんと見れていないのかもしれないので、明確な理由があるならば教えてほしいんですが、)公安はキュラソーの記憶を取り戻させるために彼女を観覧車に入れるわけだけど、そもそも色彩をもとに記憶を取り戻すなら同じ色のフィルムを見せればいいだけではないだろうか。観覧車に乗せなければいけない理由がよくわからないし、一方でなぜ黒の組織は公安がキュラソーを観覧車に乗せることを従前に(少なくともあのヘリを用意できるほど十分な時間を確保できるほどに)予測できたのかはよく分からない。結局の所、観覧車に乗せる必然性はなく、映画のクライマックスシーンのために、「観覧車ありき」だったとしか思えない。
 
脚本の決定的に冷めた部分は、キュラソーの改心までの過程の弱さにある。記憶を取り戻したキュラソーは最終的に黒の組織を裏切るわけだが、そのきっかけは、子どもたちから「自分の好きな色に染めるんだ」という言葉に触発されたことだ。いやー、黒の組織のメンバーのマインドの弱さと言ったら無いね。そんなこと言われたぐらいで裏切られるようじゃ、闇の組織としてガバガバですわ。
 
 
まとめると、アクションのアニメーションには力を入れているものの、肝心の脚本は穴だらけで、さすがに映画のひとつとしては評価できない。それでも、上記したような原作にはない話もあるので、コナンファンとしては当然に見ておくべき作品だろう。
 
でも、最後にひとつだけ言わせてほしい。
 
コナン映画の登場人物、記憶無くし過ぎ!!