未来のミライ

【評価】★★☆☆☆

細田守監督は脚本を諦めたほうがいい。

 

【批評】

細田監督がやりたいことは分かる。

要は「子供の想像力って凄い!」「子供の成長って凄い!」ってことだろう。つまり、たとえ「狭い」一軒家の中であっても、子供は想像力を無限に働かせ、その中で様々なことを学び、自己を形成していく。その過程をアニメーションで描きたかったのだろう。その結果、想像シーン以外はほとんどの舞台が一軒家の中なので、アニメーション映画としてはかなり挑戦的なプロットだと思う。

 

しかし、成功していない。

まずこの映画って短編集構成なんですよね。未来ちゃん誕生期、くんちゃん嫉妬期、雛人形片付け期、以下同文。結果、この短編集構成により映画全体に閉塞感がある。話が前に進んでいかない。たしかに、ある意味、「短編集」こそが子供の成長なのかも知れないが、全体的にはつまらない。

 

雛人形の片付けのとき、なんでお父さんは将来の未来とおっさん化した犬には接触できないのか?を説明してくれない。子供じゃなきゃ触れられないんだったらそう言ってくれないとわからない。結果、机の下で息を止めてるおっさんを見てても全然ワクワクしない。

雛人形のしゃくがお父さんのお尻に付いてるときだって、あんな3人で行かずに、くんちゃんが「お尻にゴミついてた」とか言って取ればいいじゃん。なんで3人で行くのか謎過ぎる。

 

終盤、そっちが勝手に未来に連れ出したのに、自分の索引を見つけないと帰れないってどういうことだよ。そしたら家族それぞれの思い出巡り、、なんで今それなの?くんちゃんは自分の索引を見つけたいことが最優先なのに、今家族思い出いる?くんちゃんが無事に見つけたらで良くない?スーパー矛盾。

 

と思っていたら何もゲットせず家に帰ってるし。設定!設定を考えろや!

 

未来のミライというタイトルなら、中2(ぐらい?)だけじゃなくて、お姉さんとかおばちゃんとかお婆ちゃんとかの未来(みらい)は出てこなかったなぁ。

 

でも絵や演出はとてもいいんだよ!センスも有り余っている!東京駅とか最高だった。(と言いつつ色々あるけど、大丈夫。)

 

配信もやってるのでぜひ見てください!