2016-01-01から1年間の記事一覧

湯を沸かすほどの熱い愛

【評価】★★★★☆ 死を覚悟した者は強い。 【批評】 映画には思考実験的な意味合いがある。 映画は、特に邦画は、「現実的にはあり得ない」という理由で批判されがちである。 しかし、落ち着いて考えれば、普通は魔法なんて使えないし、宇宙戦争なんて起こらな…

何者

【評価】★★★☆☆ 必然的なメタ構造 【批評】 未だかつて、これほど読み進めるのが辛い小説はなかった。 就活時代のこそばゆい感じ、はたから見れば相当にイタい行動、嫉妬心。思い出したくもないあの頃を突きつけられる苦しさがそこにはあった。 そしてラスト…

少女

【評価】★★★☆☆ 都合いいと捉えるか、綺麗に収めたと捉えるか 【批評】 湊かなえ作品はほぼ全て映像化されている。 日本アカデミー賞最優秀作品賞の『告白』に始まり、『白雪姫殺人事件』などの映画化、『夜行観覧車』『Nのために』『花の鎖』などのドラマ化…

君の名は。

【評価】★★★★☆ 美しい絵と音楽で錯覚しよう! 【批評】 新海誠作品がついに世間に認められた(?)本作。本年の『シン・ゴジラ』に次ぐ社会現象となりつつある。 そもそも新海誠はこんなに売れるはずではない。新海誠作品といえば、セカイ系の代名詞とも言え…

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

【評価】★★★★☆ クドカン節が活きる設定!マザファッカー! 【批評】 宮藤官九郎映画には、クドカン脚本で監督は別である作品と、クドカンが監督も脚本も行っている作品があり、それらは別として考えなければいけない。 クドカン脚本で最も有名な映画は『舞妓…

64-ロクヨン-後編

【評価】★☆☆☆☆ ださい映画。 【批評】 酷評するので、本作が好きな人は読まないでください。 さて、本作は終始センスのないシーンばかりでとにかく酷かった。日本映画の駄目なところが詰まっている映画だった。 特に酷かったのは、ラストに犯人を逮捕するシ…

ヒメアノ〜ル

【評価】★★★☆☆ 中原中也さん何やってるんすか。 【批評】 森田演じる森田剛の演技は圧巻だった。 簡単に人を殺しちゃうヤバい感じ、普通の人にはあるものが足りない感じ。狂気の演技がはまり役だった。 彼を映画で見たのは『人間失格』のときの中原中也以来…

ひそひそ星

【評価】★★★★☆帰ってきた園子温。【批評】昨年は商業主義だろうが原作ものだろうが話が来たものから順番に映画を作って「質より量」を実行した園子温。そのスタンスはもはや三池崇史そのもので、「もっとじっくり撮ってくれよ」と思った人も多いのではないだ…

64-ロクヨン-前編

【評価】★★☆☆☆前後編商法の覚悟が見えない。【批評】とりあえず前編はつまらないと思う。映画を前後編に分けることには、合理的な面もある。長い原作を映画化するためには2時間では尺が足りない。3時間を超える映画は観客の集中力がもたないし、映画館として…

スポットライト 世紀のスクープ

【評価】★★★★☆ 巨悪の再発を防ぐ価値ある映画。アカデミー賞作品賞も納得。 【批評】 本作に派手な演出は一切ない。暴力シーンもなければ性描写もない。ただただ、巨悪と戦うジャーナリストを描いた(ほぼ)ドキュメンタリー映画である。 カトリックやら教会…

アイアムアヒーロー

【評価】★★★★★ これぞ和製ゾンビ映画。かなり頑張っている。 【批評】 『進撃の巨人』スタッフにはこれを見て反省してほしい。 「漫画原作の実写化」はどうにも嫌われがちであるが、その理由は、実写化に立ちはだかるいくつかのハードルにある。 ・原作でキ…

名探偵コナン 純黒の悪夢

【評価】★★☆☆☆ 蘭ねーちゃんの「すぃいいんいぃちちぃぃーーー!!」が映画で見れないなんて。 【批評】 赤井秀一と安室透が主人公。その他は脇役。 コナンの映画は毎年「推理」を放棄していて、ただのアクション映画であることはご存知の通りであるが、それ…